Webマーケティングとは?初心者に必要な基本スキル6選

Webマーケティングとは?初心者に必要な基本スキル6選

インターネットが普及した現代社会において、企業のマーケティング活動もオンライン上で行われることが当たり前になりました。

この「Webマーケティング」は今やビジネスに欠かせない要素となっています。

しかし、「具体的に何をするのか」「どんなスキルが必要か」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

本記事では、Webマーケティングの基本的な概念から、初心者が身につけるべき6つの基本スキル、さらにはキャリアの広げ方まで詳しく解説します。これからWebマーケティングを学びたい方はぜひ参考にしてください。


目次

1 マーケティングとは?
 1-1. マーケティングの定義

2 Webマーケティングとは?
 2-1. Webマーケティングの定義と仕事内容について
 2-2. Webマーケティングが注目される理由

3 Webマーケティング初心者に必要な基本スキル6選
 3-1. Webマーケティングの基礎知識
 3-2. 分析スキル
 3-3. SEOの知識
 3-4. Webライティング
 3-5. 基本的なHTML、CSSの知識
 3-6. アクセス解析

4 Webマーケティングスキルを活かしてキャリアを広げる方法
 4-1. Webマーケティングスキルを活かせる職種
  4-1-1.デジタルマーケター
  4-1-2.SEOスペシャリスト
  4-1-3.データアナリスト / デジタルアナリスト
  4-1-4.広告運用者 コンテンツマーケター
  4-1-5.SNSマーケター
 4-2. 企業でマーケティング担当者として活躍する
 4-3. 事業会社から代理店に転職する
 4-4. フリーランスとして独立・副業の可能性

まとめ:Webマーケティング初心者に必要な基本スキル


1. マーケティングとは?

1-1. マーケティングの定義

 

Webマーケティングに触れる前に、そもそもマーケティングとは?と疑問に思っている方のために、解説します。
マーケティングとは、顧客のニーズを理解し、それに応える価値を創造・提供することで、企業と顧客の双方に利益をもたらす一連の活動です。

マーケティングの定義として、アメリカ・マーケティング協会(American Marketing Association)は、マーケティングを「顧客、クライアント、パートナー、社会全体に価値のあるオファリング(製品・サービス)を創造・伝達・配送・交換するための活動、一連の制度、プロセス」と定義しています。
(引用元URL:https://www.ama.org/the-definition-of-marketing-what-is-marketing/

簡単に言えば、「何を、誰に、どのように売るか」を戦略的に考え実行することがマーケティングの本質です。

製品開発、価格設定、プロモーション、流通など、顧客に製品やサービスを届けるまでの全てのプロセスを含みます。

2. Webマーケティングとは?

2-1. Webマーケティングの定義と仕事内容について

Webマーケティングとは、インターネットなどのやデジタル技術を活用して行うマーケティング活動全般を指します。

従来のマーケティングがテレビや新聞、雑誌などのマスメディアを中心に行われていたのに対し、Webマーケティングではウェブサイト、SNS、メールなどのデジタルチャネルを活用します。

Webマーケティングの仕事内容は多岐にわたりますが、主な業務としては以下のようなものがあります。

  • ウェブサイトの企画・運営
  • SEO(検索エンジン最適化)対策
  • コンテンツマーケティング
  • SNSマーケティング
  • リスティング広告やディスプレイ広告の運用
  • メールマーケティング
  • アクセス解析とデータ分析
  • ウェブサイトのユーザビリティ改善

これらの業務を組み合わせながら、企業のオンラインでの存在感を高め、成果につなげていきます。

2-2. Webマーケティングが注目される理由

Webマーケティングが注目される理由としては、まず測定可能性と費用対効果が挙げられます。

従来のマーケティングと比較して、Webマーケティングの大きな特徴は「効果測定のしやすさ」にあります
どの広告からどれだけのアクセスがあり、何件の問い合わせや購入につながったかを正確に把握できるため、投資対効果(ROI)の高いマーケティング施策を選別しやすくなります。

次にターゲティングの精度の高さも重要な点で、年齢、性別、居住地、興味関心などの属性に基づいて、より精緻なターゲティングが可能であり、効果的な広告配信や最適なコンテンツ提供を行えます。

さらに低コストでの実施可能性も魅力的で、テレビCMや新聞広告などの従来の広告手法と比較して比較的低コストで始められるため、効率的なマーケティング手段として重要性が高まっています。

そして現代社会においては、デジタルシフトの加速も見逃せません。スマートフォンの普及やコロナ禍を経て、消費者の購買行動は急速にオンラインへとシフトしています。

総務省の「令和5年版 情報通信白書」によると、日本のインターネット普及率(個人)は2023年時点で86.2%に達しており、企業がオンライン上でマーケティング活動を行う重要性はますます高まっています。
※(参考)https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/html/nd21b120.html

3. Webマーケティング初心者に必要な基本スキル6選

Webマーケティングを始める上で、押さえておくべき基本的なスキルを6つご紹介します。

これらは必ずしもすべてを一度に習得する必要はありませんが、徐々に身につけていくことで、Webマーケティングの実践力が高まります。

 

3-1. Webマーケティングの基礎知識

Webマーケティングとは、インターネットを活用して商品やサービスを宣伝し、顧客との関係を築くマーケティング手法です。

初心者がまず理解すべきは、従来の広告とは異なり、双方向のコミュニケーションが可能で、効果測定も詳細に行えるという特徴です。

主要な手法として、SEO(検索エンジン最適化)、SNSマーケティング、コンテンツマーケティング、メールマーケティング、Web広告があります。

SEOは検索結果での上位表示を目指し、SNSマーケティングではソーシャルメディアを通じて顧客と直接コミュニケーションを図ります。コンテンツマーケティングでは価値ある情報提供により信頼関係を構築し、メールマーケティングで既存顧客との関係を維持します。

重要なのは、これらの手法を単独で行うのではなく、統合的に活用することです。
例えば、SEOで集客したユーザーをSNSでフォローし、メールマーケティングでリピーターに育てるといった流れを作ることが効果的です。

また、ターゲット顧客の明確化、適切な目標設定、継続的な改善が成功の鍵となります。

実践的なアドバイス
マーケティングの入門書を読んだり、基本的なオンライン講座を受講することも有用です。
また、少し発展した内容ですが、成功している企業のWebマーケティング事例を研究することで、よりイメージが掴みやすくなります。

3-2. 分析スキル

Webマーケティングの大きな強みはデータに基づいた意思決定ができることです。そのためには、データを適切に分析し、解釈するスキルが不可欠となります。

具体的に身につけたい分析スキルとしては、データの収集・整理・可視化の基本があり、各種KPI(重要業績評価指標)の理解と設定も重要です。また、A/Bテストの設計と結果分析や基本的な統計知識なども押さえておくとよいでしょう。

初心者の段階では、Excelやスプレッドシートでの基本的なデータ操作(並べ替え、フィルタリング、Excel関数(SUM関数やIF関数、AVERAGE関数など)、ピボットテーブルなど)ができるようになることが目標となります。

将来的には、より高度な分析ツールやBIツールの活用も視野に入れると良いでしょう。

実践的なアドバイス
 無料で利用できるオンライン学習サイトでExcelやGoogleスプレッドシートの基本操作を学び、
実際にサンプルデータで分析練習をすることで、データ分析の基本スキルを効率的に身につけることができます。

3-3. SEOの知識

SEO(Search Engine Optimization)は、検索エンジンでの上位表示を目指す施策で、Webマーケティングにおいて、重要なスキルのひとつですランニングコストを抑えながら継続的な集客が可能なため、初心者でも必ず身につけるべき知識です。

SEOは大きく「内部対策」と「外部対策」に分かれます。

内部対策では、キーワード選定、タイトルタグやメタディスクリプションの最適化、見出しの構造化、内部リンクの設計などを行います。
特にキーワード選定は重要で、ユーザーがどのような言葉で検索するかを想定し、競合の少ないキーワードから狙うことが効果的です。

外部対策では、他サイトから自サイトへのリンクを貼ってもらう(被リンク)ことが重要です。
被リンクを多く獲得することで、サイトの評価を高め、検索順位を向上させること
できます。
ただし、質の低いリンクは逆効果となるため、価値あるコンテンツ作成により自然なリンクを獲得することが重要です。

初心者は、まずキーワードに対するユーザーの検索意図を考えることや、競合サイトを調査し、自分でコンテンツを書き留めるなどから始めてみましょう。

SEOは中長期的な取り組みが必要なため、継続的な学習と実践が欠かせません。

実践的なアドバイス
Google Search Consoleや、SEO分析ツール(Ahrefs、SEMrushなど)の基本的な使い方を学び、
Googleが公開している「検索エンジン最適化スターターガイド」を参考資料として活用することで、SEOの基礎を効率的に習得できます。

3-4. Webライティング

Webライティングは、インターネット上で読まれることを前提とした文章作成スキルです。

紙媒体とは異なり、ユーザーは流し読みをする傾向があるため、読みやすさと分かりやすさが特に重要となります。

Web上の文章では、まず見出しで内容を明確に示し、段落を短くして読みやすくすることが基本です。
重要な情報は冒頭に配置し、結論ファーストの構成を心がけましょう。

また、箇条書きや表を活用して情報を整理し、視覚的にも理解しやすくすることが効果的です。

SEOを意識したライティングでは、選定したキーワードを自然に文章に組み込み、ユーザーの検索意図に応える内容を作成することが重要です。

ただし、キーワードの詰め込みは逆効果となるため、読み手にとって価値のある情報提供を最優先に考えましょう。
はじめのうちは、まず短い文章から始めて、読み手の立場に立った文章作成を意識することが大切です。定期的に自分の文章を見直し、改善を重ねることでスキルアップが図れます。

実践的なアドバイス
人気ブログや企業サイトの記事を分析して読者の関心を引く書き方を研究し、自分でもブログを始めて実践的にライティングスキルを磨くことで、効果的なWebライティングのコツを身につけることができます。

3-5. 基本的なHTML、CSSの知識

HTMLとCSSの基礎知識は、特にサイト設計やサイトの改善提案を行う人にとっては必須スキルです。

完璧なプログラマーレベルは不要ですが、基本的な構造を理解しておくことで、Webサイトの改善提案や外部パートナーとのコミュニケーションが円滑になります。

HTMLは「HyperText Markup Language」の略で、Webページの構造を定義する言語です。
タイトルを示す「h1」タグ、段落を示す「p」タグ、リンクを示す「a」タグなど、基本的なタグの意味と使い方を理解しましょう。
特にSEOの観点では、見出しタグ(h1、h2、h3)の適切な使用や、altタグによる画像の説明が重要です。

CSSは「Cascading Style Sheets」の略で、Webサイトのデザインやレイアウトを装飾するためのスタイルシート言語です。HTMLでWebページの構造を定義するのに対し、CSSは文字の大きさや色、背景、配置などを指定してWebページの見た目を整えます
マーケティング担当者としては、ユーザビリティやコンバージョン率向上の観点から、基本的なデザイン調整ができる程度の知識があると便利です。

実践的なアドバイス
最初は、無料の学習サイトやツールを活用して、実際に簡単なウェブページを作成することで、実践的なスキルを効率的に身につけることができます。

3-6. アクセス解析

アクセス解析は、Webサイトの訪問者の行動を数値で把握し、マーケティング施策の効果を測定するスキルです。
勘や経験に頼らず、データに基づいた意思決定を行うために不可欠な能力です。

最も一般的なツールはGoogleアナリティクスです。

このツールでは、訪問者数、ページビュー、滞在時間、離脱率、流入経路などの詳細なデータを無料で取得できます。
また、Googleサーチコンソールと組み合わせることで、検索エンジンからの流入状況やSEOの効果も測定可能です。

重要なのは、データを取得することではなく、そのデータから改善点を見つけることです。

例えば、特定のページで離脱率が高い場合、コンテンツの質や導線に問題がないかを検証します。また、流入経路別のコンバージョン率(Webサイトなどを訪れたユーザーのうち、どれだけの割合が購入、問い合わせ、会員登録などに至ったかを示す指標)を比較することで、効果的な集客方法を特定できます。

まずGoogleアナリティクスの基本的な見方を学びましょう。

数値の変化に注目し、その背景を考察する習慣が、分析スキル向上の第一歩となります。

実践的なアドバイス
Googleが提供している「Analytics Academy」でGA4の基本操作から応用テクニックまで体系的に学習し、
自分のブログやサイトにGA4を導入して実践的にデータ分析のスキルを磨くことで、
アクセス解析の基礎を効果的に身につけることができます。

4. Webマーケティングスキルを活かしてキャリアを広げる方法

Webマーケティングのスキルを身につけることで、さまざまなキャリアパスが開けます。自分の適性や興味に合わせたキャリア形成を検討してみましょう。

4-1. Webマーケティングスキルを使う代表的な職種

4-1-1. SEOスペシャリスト

SEOスペシャリストは、検索エンジン最適化の専門家として、サイトの検索順位向上を担当します。キーワード分析、コンテンツ最適化、技術的なSEO対策、競合分析などを行い、オーガニック(自然)検索からのトラフィックを増加させる役割を担います。

検索アルゴリズムの変化に敏感で、常に最新のSEOトレンドを把握している必要があります。

4-1-3. データアナリスト / デジタルアナリスト

データアナリストは、Webサイトやアプリのユーザー行動データを分析し、ビジネス上の意思決定をサポートします。

アクセス解析ツールの高度な活用、A/Bテストの設計・分析、ユーザー行動の可視化などを通じて、マーケティング施策の効果測定や改善提案を行います。
数値への強い関心と論理的思考力が求められる職種です。統計学や機械学習などの知識があるとより高度な分析が可能になります。

4-1-4. 広告運用者

広告運用者は、GoogleやFacebook、Yahoo!などのデジタル広告プラットフォームを使って、企業の商品やサービスをオンラインで宣伝する専門職です。限られた予算の中で最大限の効果を得るために、ターゲット設定、キーワード選定、広告文作成、入札戦略の調整などを日々行います。

この職種の魅力は、データに基づいた判断ができることです。クリック率、コンバージョン率、費用対効果などの数値を分析し、広告の成果を具体的に測定できます。また、A/Bテストを通じて広告の改善を繰り返し、売上に直結する成果を生み出せるため、やりがいを感じられる仕事です。

未経験から始める場合は、各プラットフォームが提供する無料の認定資格を取得することで基礎知識を身につけましょう。論理的思考力と数字への関心があれば、着実にスキルアップできる職種といえるでしょう。フリーランスとして独立する道もあり、将来性の高い職業の一つです。

4-1-5. SNSマーケター

SNSマーケターは、Twitter、Instagram、Facebook、TikTokなどのソーシャルメディアを活用して、ブランド認知度の向上、エンゲージメントの創出、コミュニティ構築などを担当します。投稿計画の立案、コンテンツ制作、コミュニティ管理、広告運用などを行います。

トレンドへの感度が高く、エンゲージメントを生み出すクリエイティブな発想力が求められます。若年層を中心にSNSの利用が拡大していることから、今後も需要が高まる分野です。

4-2. 企業でマーケティング担当者として活躍する

事業会社のマーケティング部門で働く場合、自社製品やサービスのプロモーションを一貫して担当します。

全体戦略の立案から実行、効果測定までを社内で完結させる場合が多く、自社の事業への理解を深めながらマーケティングスキルを磨くことができます。

事業会社のマーケティング部門で働く場合のメリットとしては自社の製品・サービスへの深い理解が得られること、事業全体の成長に貢献する実感を持ちやすいこと、そしてマーケティング以外の部門(営業、開発など)との協働経験が積めることなどが挙げられます。

キャリアステップとしては、アシスタント→担当者→マネージャー→ディレクター→CMO(最高マーケティング責任者)というラインが一例としてあげられます。

4-3. 事業会社から代理店に転職する

Web制作会社やデジタルマーケティング代理店では、複数のクライアント企業のマーケティング支援を行います。様々な業界のプロジェクトに携われるため、幅広い経験を短期間で積むことができるのが特徴です。

代理店でのキャリアのメリットとしては、多様な業界・業種の案件を経験できること、最新のトレンドやテクノロジーに触れる機会が多いこと、そして専門特化したスキルを伸ばしやすいことなどが挙げられます。

4-4. フリーランスとして独立・副業の可能性

Webマーケティングのスキルは、フリーランスや副業としても活かせます。
特にSEO、コンテンツ制作、SNS運用などは、リモートワークや時間に縛られない働き方との相性が良いです。

フリーランスのメリットは:

  • 時間や場所に縛られない働き方ができる
  • 自分の得意分野に特化したサービス提供が可能
  • 直接クライアントと契約することで高単価の案件を獲得できる可能性がある

独立には一定のスキルと実績が必要ですが、最初は副業から始めて、徐々に案件と経験を増やしていくのが現実的なアプローチです。

クラウドソーシングサイト(ランサーズ、CrowdWorksなど)や、フリーランス向けエージェント(ITプロパートナーズ、レバテックフリーランスなど)を活用して案件を獲得するのが一般的な方法です。

まとめ:Webマーケティング初心者に必要な基本スキル

本記事では、Webマーケティングの基本概念から初心者が身につけるべき6つの基本スキル、さらにはキャリアの広げ方までを解説しました。

Webマーケティング初心者が押さえておくべき基本スキル

  1. Webマーケティングの基礎知識
  2. データ分析スキル
  3. SEOの知識
  4. Webライティング
  5. 基本的なHTML・CSSの知識
  6. アクセス解析

これらのスキルを段階的に身につけていくことで、Webマーケティングの実践力が高まります。

重要なのは、まずは広く浅く基礎知識を習得した上で、自分の興味や適性に合った分野を見つけ、そこに特化していくことです。
また、Webマーケティングは日々進化する分野なので、常に最新トレンドをキャッチアップする姿勢が欠かせません。

これからWebマーケティングを学ぶ方は、ぜひこの記事で紹介した基本スキルから少しずつ習得し、実践していくことをおすすめします。理論と実践を繰り返しながら、自分のスキルを磨いていきましょう。

デジタル化が進む現代社会において、Webマーケティングのスキルは、多くの業界・職種で求められています。
基本をしっかり押さえた上で、自分なりのキャリアパスを描いていくことで、魅力的な職業人生を歩んでいけるでしょう。