外資系企業のマーケターが語る“グローバル企業の実態”と“マケキャンの価値”

開発コンサルティング、交通インフラ系のコンサルティングを経て、現在は外資系企業でマーケターとして働くS講師。
今回はそんなSさんに「グローバルな環境で活躍するマーケターになるには」というテーマでお話を伺いました。

S講師


[ 経歴 ]

大学院で国際協力について学んだ後、開発系のコンサルティング会社に入社。地方自治体の観光客を増加させるための事業開発を経験した後、交通インフラ系のコンサルティング会社にてマーケティング支援をメインに担当。
現在は外資系企業で太陽光発電などの国内エネルギー事業に関するマーケターとして、広報宣伝・販売促進・マーケティング戦略や事業スキームの設計など、幅広く活躍する。

グローバル企業のマーケターになるまでの経緯

 

ー 現在外資系企業のマーケターとして活躍されているSさんですが、「グローバル」や「マーケティング」といった軸でキャリアを重ねていくことになった経緯を教えてください。

S講師:そうですね、少し長くなりますが一つずつお話をすると大学院まで遡ることになります。

私は元々大学は物理学科で、「DVDの容量をいかに増やすか」みたいな研究をやっていたバリバリの理系だったのですが、技術の研究をするよりも「技術の使われ方」の方が興味があると思うようになったんです。

具体的には、開発された技術が実際に適切な形で使われているのか日本で古くなった技術でも途上国では有効な使い方ができるのではないか、というような観点ですね。

そのため、大学卒業後は国際協力について学べる大学院を選んだ、というのが一番最初のきっかけになります。

 

 

ー 国際協力…そこがグローバルな視野を持つきっかけだったんですね。

S講師:おそらくそうですね。

それこそ当時は英語も全く話せない状態だったのですが、大学院内に様々な国から来ている留学生がたくさんいたので、英語でコミュニケーションを取らなければならない機会がたくさんあったり、TEDという英語スピーチの大学代表をやって数千万の資金調達をしたりと、振り返ると今につながる経験が多かったなと思います。

そのほかにも、アルバイトで学習塾の講師や被災地支援活動をなど、大学院以外の課外活動ばかりしていたので、研究室ではよくドヤされていました(笑)。

 

 

ー 学生とは思えないものすごい経験ですね!
そこから新卒でコンサルティング会社へ進まれたのはどのような理由だったのでしょうか。

S講師:当時は、将来的に国連や世界銀行で働く国際公務員を目指そうと考えていて、そのためにまずは様々な国で事業に関わった実績を積まなければなりませんでした。

そのため、実際に海外へ足を運んで事業に関われる開発系のコンサルティング会社を選んだのが理由です。

 

 

ー なるほど!入社してから実際にそのような仕事をご担当されていたのですか?

S講師:いえ、いきなり海外案件を担当するのはハードルが高かったこともあり、まずは国内の案件で地方自治体の街づくりを支援するコンサルティング業務を担当しました。

それこそ北海道の氷点下20度を下回るような田舎町で、北海道に来た観光客をどうやってその町に寄ってもらうか、みたいなことをやっていましたね。

現地の人では当たり前すぎて気づかないような「濡れたタオルを回したら固まる体験」をフックに集客したりと、かなり面白かったです。

大学院で文系を選んだのもそうですが、「あるものをいかに活用するか」という視点で物事を考えて新たな価値を発掘するのが好きなので、そういう観点では当時からマーケティング的な考え方に触れていたのかもしれません。

 

 

ー 確かに…!ただそうすると、最初から「グローバル」や「マーケティング」という領域でキャリアをスタートされたわけではなかったのですね!

S講師:そうですね!二社目でマーケティングを担当するようになり、グローバル領域で働くようになったのは、三社目である現職になってからです。

 

 

ー なるほど、二社目からマーケティングという軸でキャリアを選択した理由はなんですか?

S講師:端的に言うと、ものすごく肌に合ったからです。

個人的に幼少期からずっと「言っていることがわかりづらい」と指摘される機会が多くて、想いはあるのに伝わらないという経験をよくしてきたのですが、そうした鬱屈とした過去の経験を晴らすことのできる職業がマーケティングだと感じたんです。

大学の頃はお笑いに挑戦するなど、人に何かを伝えるという活動はずっとしてきましたが、「いかに自分の想いを伝えるか」を極められるのがマーケティングだなと。

結果的に、二社目では交通バス関係の事業の中でオンライン集客マーケティングを経験した後、現職で図らずもグローバルな環境に戻ってきたという感じですね。

 

 

外資系企業の働き方のリアルとは

ー 肌に合っている仕事というのはすごく素敵ですね。
ちなみに、現職についてからいわゆる外資系企業という環境でお仕事をされているわけですが、過去の職場と異なる大変さはありますか?

S講師:それこそやはり「伝える」という作業は大変ですね。

というのも、社内の2〜3割が外国人で上司にも海外の方がいるような職場なので、コミュニケーションを取る上で言語的なハードルはどうしても発生してしまいます

そういった時に、無理やり言葉だけで用件を伝えるのではなく、「言葉がわからなくても伝わる方法は何か」を追求してビジュアライズしたものを見せるなどの工夫が必要になってくるんです。

お互いが英語や日本語を不自由なく使えるに越したことはありませんが、そうでない場合は良い意味で言語のハードルを諦めて文字や喋りを使わずに解決する、という感じです。

 

 

ー それはすごいですね…!

S講師:いかに短く伝えるか、キーワードを立たせるか、という話は日本語も同じだと思うので、それがより顕著なだけだとは思います。

マケキャンでも「伝え方」に関してはかなり重視して磨いてもらっていますが、まさにそれに通じる部分がありますね。

 

 

ー なるほど…ただやはり外資系企業となると、成果主義や足切りのような厳しい職場環境のイメージがあるのですが…

S講師:うちの会社は一切ないですね(笑)

確かに外資と言っても大きく二種類あって、いわゆる「Up or Out(昇進するか辞めるか)」と評されるような外資コンサル的な働き方をする職場もあると思います。

ただ一方で、現職のようにビジネスチャネルを上流から固めているメーカー寄りの会社は、「プライベートも大事にして働く風土」があってものすごくホワイトです。

海外の人が平日でも日中から家族で過ごしているイメージはあると思いますが、まさにそんな感じ。

私自身も今は8時〜16時半で働いていて、20時まで残っている人は誰もいないような環境ですね。

 

 

ー そうなんですね…!そのような働き方が実現できるほど、社員の方々の生産性が高いという証拠でもありますね。

S講師:確かに、スピード感はめちゃくちゃ早いかもしれません。

例えば仮に日本法人で予算が足りなくても、グローバルの本社から財源を持ってこれるので、トライアンドエラーでどんどん事業が生み出されています。

しかもエラーになった瞬間すぐに方向転換して、今までやっていたことを捨てていく

うちの会社だけかもしれませんが、それこそ年間計画などはあってないようなものですね(笑)。

また、海外から最新のマーケティング情報が入ってくるので、その分勉強することも多くなります。

特に現職のエネルギー業界は、日本より海外の方が規制が緩く新しい事業が生まれやすいので、海外のことを勉強して情報収集し続けることは必須だと思います。

人によっては大変だと感じることもありそうですね。

 

 

ー 凄まじい環境ですね!
そのような職場となると、未経験から転職するのは難しく感じます。

S講師:他社の事情は知りませんが、うちの会社には未経験でマーケターとして入社しているメンバーもいるので可能性は全然ありますよ!人員も足りていないですし(笑)。

“外資系”かつ“マーケティング”となると、ものすごく難しそうなイメージを持たれがちなのですが、おそらく皆さんがイメージしている認知度の高い外資だけでなく、うちの会社のようにBtoBで事業を行なっている外資もあるので、あまり障壁を感じすぎずに挑戦した方がいいと思います!

 

 

ー 転職活動をした頃を振り返って、注意すべきことはありますか?

S講師:そうですね、一つはやはり日常的に英語を使う場面があることです。

現職は英語必須の求人ではなかったのですが、グローバル本社から電話がかかってくる場面や、英語ができることによって円滑に仕事が進む場面がたくさんあるので、そこはある程度の英語力が必要ですね。

あとは、国内の企業と見られるポイントが違うのも注意点です。

というのも、国内だと“キャリア(勤続)年数”や“管理職経験”を重視されがちですが、外資だと“実績”を見られます

過去にどのくらいの予算を持って事業を回していたか、などの観点から「この人にはこのポジションが合うだろう」ということを判断される感じですね。

だからこそ、選考では実績をちゃんと伝えられるかどうかが鍵になると思います。

 

 

ー 見ているポイントが違うのは面白いですね!
ちなみに、今の職場で働いていて良かったと感じることはなんですか?

S講師:これまでの話の中で触れてきたことばかりになってしまいますが、まずはホワイトな職場環境であるということ。

「人生の一部に仕事がある」という価値観を持った人が多いので、プライベートにはお互いに干渉しないような雰囲気や、家庭との両立が当たり前とされている風土があるので、とてもありがたいです。

あとは、強靭な資本力があること。

先ほども話したように、新たな事業領域にどんどん挑戦できる点や、資本力がないと成り立たないような事業スキームを組んで実行できる点は非常に面白いです。

加えて、やはり最新のグローバル情報が入ってくるのも良かったと感じるポイントですね。

 

 

マケキャン受講生への想いとマケキャンの存在価値

ー 今後のキャリアについて考えていることを教えてください!

S講師:自分の中で最も大きい価値観は「仕事は人生の一部」という考え方なので、引き続き「いかに仕事の効率を上げられるか」ということは極めていきたいと思っています。

ワークライフバランスを重視しながら、短い時間でどれだけ年収を上げられるか、という挑戦ですね。

またそれとは別の軸で話すと、「マーケティングに課題がある」「マーケティングで困っている」という企業がものすごく多いというのを痛感しているので、自分のキャリアを通じてそのような企業への支援を続けていきたいと考えています。

 

 

ー なるほど…「仕事は人生の一部」というのはとても素敵な考え方ですね!
ちなみにSさんの考える“仕事の効率が高い人”というのはどんな人ですか?

S講師:そうですね、ポジションにもよると思いますが、「精度の高い仮説を作れる人」と「仮説を捨てるのがうまい人」はめちゃくちゃ仕事が早いなと思います。

仕事に取り掛かる前に立てた仮説がだいたい当たるし、仮に間違っていても変なこだわりを持たずにすぐ前言撤回して修正するので、仕事が早い人ほど忙しい様子が全く見えない。

恐らく様々なインプットに裏付けされた能力なんだろうと思いますが、自分もそうなりたいと思いますね。

またマネージャーのような管理職の立場であれば、「下準備ができる人」がすごいと思います。

社内で進めたい話がある時に、あらかじめ立ち話や食事の場で用件を頭出ししておくだけで、相手への伝わり方がまるで変わるので、仕事を円滑に遂行する上でそのような下準備は非常に重要です。

 

 

ー 間違い無いですね…!
その話に通ずる部分もあるかもしれませんが、マケキャン受講生の中で成長しやすい人とそうでない人の違いはなんだと思いますか?

S講師:まさに「仮説を持っているか」と「素直にすぐ修正できるか」という点だと思います。

一回の講義を切り取って見てみても、漠然と「学ぼう」と思っている人や、「良い評価をもらいたい」などと思っている人よりも、「ぶつけてみたい仮説を持ってきました」という人の方がはるかに成長スピードが早い印象があります。

またそれに加えて、講師陣からフィードバックをもらった時にすぐ修正できる人も強いです。

変なこだわりは捨ててまずは取り入れてみるというスタンスが大事ですね。

あと細かな観点で言うと、質問を端的に伝えられる人は成長が早い気がします。

“質問”という行為は実はものすごく難しくて、使う言葉や質問の形式によって、自分が欲しい情報を貰えるか否かが変わります。

だからこそ、質問の仕方一つにその人が「どれだけ考えてその場に望んでいるか」が表れるんだと思います。

 

 

ー なるほど、とても参考になります。
Sさん自身は、多様な形で成長するマケキャン受講生たちへ講師いう立場で関わってくれていますが、どんな点をやりがいだと感じていますか。

S講師:元々塾講師のアルバイトをしていた頃から変わらないのですが、人に何かを教えることそのものが好きです。

受講生一人一人の背景に合わせた伝え方をして、目の前で成長したり喜んでいたりするのを見れることが最大のやりがいですね。

また、その過程の中で言葉にこだわれるのもめちゃくちゃ面白いです。

マケキャンでは受講生一人一人の人生を預かっているので、言葉を発する前には必ず頭の中で推敲して伝えるようにしていますが、そのような重みのある言葉の積み重ねが間違いなくやりがいに繋がっていますね。

 

 

ー ありがたい限りです!
それでは最後の質問です。Sさんから見てマケキャンはどのようなサービスだと思いますか?

S講師:カリキュラムがしっかりしていることや、講師が現役でマーケティングの仕事をしていることから、学習クオリティが異常に高いのは言わずもがなです。

またそれに加えて、キャリアチェンジ活動の中でマケキャンはものすごく重要な役割を担っていると思います。

というのも、マケキャンは二回転職できるサービスで、例えるならば現役マーケターが上司について「プレ就職」するみたいなものです。

未経験からのキャリアチェンジにはリスクがつきもので、Webマーケティングがそもそも合うのか、どんな上司ならフィットするか、など全くわからない状態で転職しなければなりません

そのような人にとって、プレ就職ができるマケキャンは本当に価値のあるサービスです。

マケキャンで多様なタイプの講師に出会い、様々なWebマーケティングの仕事に触れて、自分の向き不向きや転職の方向性を見極めた上で次のステージへ進める

そんな素晴らしいキャリアチェンジを、ぜひマケキャンの受講生には実現して欲しいですね!

 

ーありがとうございました!引き続き、講義にてよろしくお願いいたします!

いかがでしたでしょうか?
マケキャンでは、S講師のような経験豊富なマーケターが在籍しており、受講生ひとりひとりに寄り添い指導をしています。

もっとマケキャンを知りたい!と思われた方は、ぜひ無料カウンセリングにお越しください!