【イベントレポート・Day2】Ptmind×マケキャン -ヒートマップツール「Ptengine」を用いたLP分析-

誰でも直感的に始められるサイト運営プラットフォーム「Ptengine」を運営する株式会社Ptmindと協業し、第1回目8月31日(火)、第2回目9月4日(土)にて、マケキャンbyDMM.comの受講生・卒業生を限定にLPOの基礎から実践的なノウハウまで学べる特別セミナーを共同開催いたしました。

この記事では、2日目に開催したセミナーの内容をご紹介いたします。

セミナー概要

開催日:9月4日(土)
登壇者:株式会社Ptmind Ptengine Senior Specialist 窪田 知昭 氏
テーマ:「Ptengine(ピーティーエンジン)を用いたPL分析」

 

セミナー内容

坂本:前回はLP・LPOの一般的な知識から注目すべき点について窪田様に解説いただきました!
今回はより具体的な運用方法や、実践力を身につけられるような内容を解説いただきます。
それでは窪田様、宜しくお願いいたします。

窪田氏:宜しくお願いいたします。まずは自己紹介をさせていただきます。

私は株式会社Pmindにて、マーケティングチームのチームリーダーを務めている窪田と申します。
私自身、広告代理店にてアカウントプランナーを経験しています。

本日は、1日目にお話しをさせていただいた「LPの概要と実践に向けた基礎理解」に続いて当社のヒートマップツール『「Ptengine」(ピーティーエンジン)を用いたLP分析』をテーマにお話をさせていただきます!宜しくお願いいたします。

最初はデータを理解をしていただき、次に「Ptengine」でどのような改善アクションができるか、をご紹介します。

LPの課題を深堀するデータ読み解き術


窪田氏:まず、「LPの課題を深掘りする読み取り術」です。
本日は、当社のヒートマップツール「Ptengine」を使いながら解説していきます。
ヒートマップツールとは、Webサイトの各ページでユーザーがどのような行動をするのかを、わかりやすく色で表現することが出来るツールです。

分析に先駆けて、図のように分析するLP*1のコンテンツを読み解きやすく分解していきます。

*1:訪問者が最初にアクセスするウェブページ


窪田氏:例えばこれは生活用品のLPなのですが、最終的にはFAQや購入フォームが設置されており、EC型のLPになっています。

前回ご紹介した買うメリットがあるパートや信用性があるパートなど、顧客の心理とリンクするようなパートが必要という話をしました。
上の図はコンテンツに沿ってパートを分解し、それぞれの内容を抽象化して記載しました。

最初にこのような作業をすることで、レビューがしやすくなります。

窪田氏:早速データの読み解き方について解説するのですが、「Ptengine」で読み解くべき重要な指標が3つあります。
それぞれ「読了率」「アテンション」「クリック」
の3つです。

 

窪田氏:まず「読了率」関して解説していきます。
「読了率」とは、ユーザーがどれだけサイトの記事を最後まで読んだかを表す指標です。上の図をご覧ください。

パーセンテージが減っている箇所があるのですが、これはファーストビューを通過した人の割合になっています。
途中でどれだけ離脱したかや最終的にどれだけCVに繋がったかが分かるようになっているわけですね。

その中でも注目していただきたいのがファーストビューからの「離脱率」です。
最初は100%になっていますが次のパートで減っていますよね。

坂本:パートごとにどれだけ離脱しているかが分かるわけですね…!

窪田氏:そうなんです!
このファーストビューからの離脱が大きいと、ターゲット外のユーザーを集客していたり、内容が伝わりきっていない可能性があったりするため、「ファーストビューの改善が必要」という結論になってきますよね。

見込みのある顧客かどうかは流入元に関わってきます。
広告などを含まず検索エンジンによる純粋な検索結果を指す「オーガニック検索」、またリスティング*2やアフィリエイト*3からの誘導であれば80%程度を目指していけるチャネルです。
一方で、そのほかの配信はどんどんターゲット濃度は低くなるため、離脱率が高くなる傾向があります。

*2:リスティング広告:検索エンジンの検索結果に連動して表示される広告
*3:アフィリエイト広告:成果報酬型広告。アフィリエイター(媒体主)が保有しているサイトやSNSに設置されている広告。

窪田氏:上の図をご覧ください。こちらも離脱率になるのですが、「どのコンテンツでどの程度離脱しているのか」という観点も非常に重要です。
特定のコンテンツ部分で、離脱率が高い場合、そこに課題があるということが分かりますよね。
もしくは前後にあることが考えられる場合も…。

例えば手前のCTAで遷移している場合。CTAはWebサイトの訪問者を具体的な行動に誘導するボタンのことですね。

CTAによってそこで離脱してしまうので離脱率は高くなりますが、大きな影響は発生しません。
しかし、加味する必要はあるということです。

坂本:コンテンツによって重視する影響度も違うため、加味しながら分析していくことが重要ですね。

窪田氏:続いてこちらです。
こちらは「アテンションヒートマップ」と呼ばれるもので、どのタイミングでユーザーが滞在しているか、全体の傾向としてどこがよく見られているかを知るためのツールです。

見られる時間が長いほど赤くなる仕組みになっています。
長く見られれば見られるほどポジティブと思いがちですが、ポジティブな要因とネガティブな要因が考えられます。

例えばポジティブな場合は、情報が有益であったり、読んでいて参考になっている可能性が高いです。
より下部になるほどユーザーが減少していますが、関心を集めている「赤い箇所」になっているため、より重要な情報が隠れている可能性があるということが分かります。

一方でネガティブな要因。
読みにくい内容や、小さい画像など、読みづらい場合もそれにより滞在時間が長くなる時があるため赤くは表示されますが、これはネガティブな要因のため、それをふまえて分析していく必要があります。

窪田氏:続いて上は青系の色のアテンションですね。
緑色で表示されている箇所は「読み飛ばし」の箇所です。

興味が薄かったり、読むに値しなかったり、ユーザーが流し読みしていた場合、緑色で表示されます。
この緑色の箇所はユーザーの関心が薄く、CVに繋がらない可能性が高いため、そういった箇所を無くしていく活動が必要になります。
物理的な読みにくさや、文脈的な全体のバランスを調整していく必要が生じてきますね….!

坂本:コンテンツ内容の調整に加えて、物理的な読みやすさやビジュアルも重要ということですね。

窪田氏:続いて「クリック」のヒートマップです。
これはユーザーがクリックした箇所の色が変わる仕組みになっています。
ユーザーがより知りたいことや、興味をもったことを分析する機能ですね。これもポジティブな要因とネガティブな要因があります。

ポジティブ要因としては、ユーザーに人気がある箇所やもっと知りたいと思っているなどが挙げられます。
一方で、
ネガティブな要因は、デザイン的に勘違いでクリックしていていたり、UI*4上の問題でクリックしている可能性があるということが考えられます。

*4:サイトの見た目や、使いやすさ。

窪田氏:続いて上の図をご覧ください。クリックヒートマップに加えて、クリックを数値で見られる機能もあります。
これはページ分析
と呼ばれる機能です。
実際にクリックされた数値を定量的に表示しています。

このようにユニークな訪問数とクリック数と分けて表示したり、流入元が分かるようになっています。
ここで注目していただきたい点は、LP全体の訪問数、スクロールしたユーザー数、広告やコンテンツが表示された回数に対してどのくらいの割合でユーザーにクリックされたかを示す指標「クリックレート数」が分かるようになっていることです。

大体クリックレートについては10〜20%程度ですとポジティブとされているので、是非目安にしてみてください。



窪田氏:次は、今まで解析したデータを一つの表にまとめていきましょう!
それぞれのセクションで、アテンションの色、離脱率、CTAのクリック率、よくクリックされた箇所などをまとめていきます。
これをすることで、どのような仮説が考えられるかということを、データを通して言語化することが可能になります。

坂本:ここまで出したデータをまとめると、かなり有効な仮説立てができそうですよね…!

窪田氏:おっしゃる通りですね。ツールを導入しなければ、ここまで読み取れるデータは無く仮説も薄くなってしまうため、ヒートマップツールは非常に便利ですね。


窪田氏:仮説を立てることができたらいよいよゴールです!!仮説からアクションを考えていきます。
このようにステップを踏んで行っていくと、ユーザーの行動変化や原因を深掘りして仮説を立てることができますよね。
ヒートマップの変化に合わせて改善箇所を明確にし、アクションを考えていくという循環が組むことができます。

窪田氏:上の図は事例です。
改善前と改善後でLPの構成とヒートマップの比較をしています。

改善前は、ヒートマップの緑の箇所が非常に多く、青と混在しムラが大きかったのですが、改善後は大体オレンジ以上の色が多くを占めています。
これは閲覧意欲や離脱率が大きく改善された結果です。CVRが約8%も向上しています。

このようにヒートマップは、対象LPのコンテンツごとに分析することで問題の抽出や仮説立て、改善施策立案などの役立つため非常に有効なツールです。
定量的にボトルネックが分かるため、成果が上がるようなLP施策に繋げることができます。

仮説からアクションまで一気通貫で実施するLPO術

窪田氏:続いて、「仮説からアクションまで一気通貫で行うLPO術」に入ります。

成果を上げる原則として、仮説→テスト→レビューといった順番でサイクルを回すことが重要なのですが、最近ではより早く世に出して顧客の反応を見ながら分析とテストを繰り返し価値を高めていく手法として「アジャイルマーケティング」という言葉があります。
より早く成果をあげていく原則ですね。

改善スピードは早ければ早い程、成長レートも変動が早くなっていくので、より早くインサイトを得て施策を実行していくアジャイルマーケティングは非常に重要です。

坂本:それを支えるのが「Ptengine」ですね!

窪田氏:おっしゃる通りですね!
「Ptengine」では、ファーストビューの切り替えやページの書式の変更、コンテンツの並び替え、削除など非常に簡単に行うことができます。
それに加えてABテストやCTAボタンの色で購買を促進するテスト、ポップアップや固定バーを設置することも可能です。

基本的に「Ptengine」はノーコードで編集をすることができます。
ですので、ABテストも非常に簡単にできますし、そこからの微修正など、施策が良かったのか、悪かったのかを早く理解することができ、それに応じて施策が考えられるわけですね。

まとめると、「Ptengine」を導入することでアジャイルにPDCAを回すことができる、それに伴って顧客の関係性や組織の環境がいち早く向上に繋がると思っています。
マケキャンの受講生さん、卒業生さんも、今後マーケターとして活躍する中でLPの改善業務に携わる機会が増えてくると思います。
是非今回の講義を活かして、パフォーマンスの改善にご利用いただければと思います。

坂本:窪田さん、ありがとうございました!