タイトル
5ヶ月で月間UUが200万増!600万MAUメディア「暮らしニスタ」のノウハウ大公開
オープニング
【FREE WEB HOPE代表取締役社長 相原祐樹】
本日のゲストは株式会社ウィルゲートの専務取締役COO、吉岡諒さんです。
あらゆるキーワードで上位表示を実現するSEOのノウハウを、同社が出版社と共同運営するメディア「暮らしニスタ」を例に解説。
短期間でアクセスを伸ばし、月間650万PVを達成したその極意を、吉岡氏の”マシンガントーク”とともにお届けいたします。
※イベント風景※
(以下は、吉岡氏のプレゼン内容を記載しています。)
はじめに
株式会社ウィルゲートの専務取締役、吉岡諒と申します。
当社は2005年3月に代表の小島と私が高校卒業後に立ち上げた会社です。現在15期目で、社員数は約150人になりました。
SEO事業については私が立ち上げていて、社員0人からスタートし営業、コンサルだけでなくアルゴリズム変動研究もしてきました。当社は会社全体売り上げの4割がSEOコンサル事業で、この7年で3300社ほどのお手伝いをしてきており、「サグーワークス」と「エディトル」というブランドで記事作成も行っております。今日お話する「暮らしニスタ」と「Milly」は主婦の友社様と一緒に、アウトドアメディアの「BE-PAL」は小学館様と共同運営しております。
本題に入る前に、「暮らしニスタ」の説明をさせていただきます。
元々、主婦の友社様の雑誌「como」に生活の達人コンテストというコーナーがあり、1回あたり生活の知恵が1000件以上集まってきていました。ただでページ数に限りがあり、紹介できるアイディアも10、20個ほどで、残りの1000近くのアイディアはお蔵入りしているという話を聞きました。 Web メディアサービスにすれば日の目を見ることができるのではないかということで、主婦の友社様と共同運営で「暮らしニスタ」が始まりました。
2014年9月に立ち上げ、アクセスは月間月650万円UU3200万PVを達成しました。
ユーザー投稿型のメディアになっており、テーマは料理、DIY、ハンドメイド、家事など。6万2000本の記事があり、うちユーザー投稿が5万5000本、当社と主婦の友社様でSEOを考えて作ったコラム・まとめが7000本あります。またユーザー投稿は月々800件から1000件ほどになっています。
ではユーザー投稿記事はどんなものなのかというと、ユーザーが楽しみながら他の人でも真似できるようなアイデアを紹介するものです。
例えば検索でも上位に表示される「キャラ弁の海苔の切り方」の記事では、おすすめの海苔、ハサミの入れ方などを写真を使いながら説明しています。。
まとめ記事では、こういったユーザー投稿を「ダイソーのおすすめ、いま主婦が買うべき商品156選」のようなタイトルでまとめています。156選というと多すぎるのではと、思われるかもしれませんが、一覧ページは数が多い方が上に上がるというGoogleのアルゴリズムがあるので、多めにまとめさせていただいています。
コラム記事では、その分野に詳しい専門家の人にインタビューしているものになります。
SEOの流入比率でいうと、まとめ記事が46%、コラム記事が31%、ユーザー投稿が19%。ユーザー投稿が数としては圧倒的には多いのですが、トラフィックの77%を稼いでるのはまとめ記事・コラム記事です。
このように暮らしニスタのSEO勝ちパターンは、ユーザーさんに楽しみながら投稿していただき、まとめ記事で検索流入を取っていくという戦略となっています。
同じようなユーザー投稿型メディアを運営してる方は少ないと思いますが、暮らしニスタがどういう戦略で注力領域を決めているのかを説明する中で、皆さんの参考になるお話ができるんじゃないかなと思っております。
暮らしニスタのSEO戦略
それでは本題の、暮らしニスタのSEO戦略について解説していきます。
今回、当社のSEO戦略分析ツール「TACT SEO」の機能を交えながらお話させていただきます。
まずSEOの注力カテゴリとして検討したのが、食材、家電、化粧品美容品、格安スマホ、FXの5ジャンルでした。
これらの勝ち筋を評価するにあたって、5つの評価軸を設けて検討しています。
まずサイトのコンセプトにマッチしているかという「読者価値」で見ると、食材と家電は◎、FXは投資領域なので△としています。
「検索回数」を見ると食材、家電のニーズは特に高く、「コンテンツ量」を調べるとこの2つだけでなく全体的に多い。
しかし競合サイトのドメインを分析すると格安スマホ、FXは「競合性」が高いことが分かります。
最後に「作成難易度」を考えると、FXで稼いでいるという人よりも日々料理や家事をしている人の方が多く、その分だけで食材、家電が得意なライターも多いことが予測できます。
こういったことから、食材、家電は検索ボリュームも多く、競合が弱いという結果になったので、特にこの2つを注力ジャンルとしました。
先ほど説明した「コンテンツ量」をどうやって調べればいいのかというと、Googleの「site:検索」や「intatle検索」が便利です。この方法を知らない方は、ぜひこの機会に覚えていってください。
まず「site:検索」について、今回は「コーヒミル おすすめ」を例に説明していきます。このキーワードで検索すると、2位にライフスタイルメディアのキナリノが出てきますが、「site:kinarino.jp」での検索結果は2万9400と表示されます。これはキナリノのサイト全体のページ数を示しています。
さらに合わせ技で「allintitle:コーヒーミル」とつけて検索すると、キナリノのサイト内でコーヒーミルがタイトルに入ってる記事数が表示されます。
同じような調査方法で他のサイトも調べていき、集計したものがこちらになります。
上位平均は大体8ページなので、8ページ以上コンテンツを作れば「コーヒーミル おすすめ」で上位表示されるチャンスあるということが分かります。
もっとページ数が多い例も説明しておきましょう。
小学館様と共同運営している「BE-PAL」では、同じアウトドアメディア領域にCAMP HACKというサイトがあります。
私の分析ではSEOで月500万人以上集客できているサイトなのですが、このサイトで「allintitle:テント」で検索すると約440もの記事あることが分かります。
さらに1つ1つの記事も充実しており、初心者向けテントの記事もポップアップテントの記事もかなりの文字数です。
1記事1万字と仮定すると、全記事で440万字。
これを作成するために1文字2円で外注するとテントだけで900万円近くコンテンツ投資しているという計算になります。
つまり同じテントというキーワードで戦うと、100記事作っても勝てないんですね。
しかし「ナイフ」だとと50記事しかなく、さらに「シースナイフ」という小さいナイフがあり、これだと2記事程度。
暮らしニスタでもシースナイフで記事を作ってみた結果、検索上位3位に表示されるようになりました。
この記事は作成に2,3万円かけましたが、アフィリエイトで月2万円ぐらい稼げているので、2万円の投資で年間24万円の収益が出ている計算です。
このように事前にしっかりと調べていくと、効率的にSEOを行うことができます。
続いて被リンク評価です。
第三者ツールを使うと、競合サイトのドメインの偏差値が分かります。記事を作る前に、上位サイトの強さを調べておくのが重要です。
検索結果の中にコラムが出やすいかも知っておく必要があります。
例えば「収納ケース」は上位にはECサイトが表示されますが、「収納」だとコラム記事も入ってきます。当社ではこれを「コラム度」と呼んでいて、TACT SEOでは無料でもコラム記事が上位に表示されやすいかどうかを調べることができます。
高品質なSEOコンテンツを生み出す作成フロー
続いてコンテンツの作成フローについて解説していきます。
フローは「キーワード選定」、「企画」、「ライティング」、「チェック」の4つに分かれ、全10ステップあります。
今回は10あるステップのうち、「メンズ 化粧品」を例にステップ7まで説明させていただきます。
「関連キーワード選定」では、検索した時のサジェストと関連キーワードを抜いてくるだけ。しかし自力でやると大変なので、記事数が多い場合はツールを使うのもおすすめです。
ちなみにTACT SEOを使うと、関連キーワードをCSVでダウンロードすることができます。
次の「キーワードグループピング」ですが、今日一番重要な部分となっています。
これまでのSEOコンテンツ作成では、1キーワードごとに1記事作るというのが良いとされてきました。しかしこれは間違いです。
別のキーワードでも検索意図が同じであるものは、1記事にまとめるほうが効果的です。
こうすることで、記事作成コストも抑えられ、上位表示されやすくなります。
ではどうやってキーワードを分類するかというと、検索してその結果が似ているものとまとめていきます。
例えば「メンズ化粧水 ランキング」、「メンズ化粧水 市販 おすすめ」は良い商品が知りたいという意図なので同じグループ。
「メンズ化粧水 朝」と「メンズ化粧水 方法」はどちらも使い方を調べたいので同じグループ、といった形になります。
キーワードグルーピングも1つ1つ検索するのは手間ですが、同じくTACT SEOでには自動でキーワードを分類する機能があります。
ステップ3は「読者ニーズの把握」です。
「メンズ化粧水 選び方」というキーワードでは、「メンズ化粧品の選び方を知りたい」という表層的な部分だけでなく、ユーザーの本質的なニーズである「自分の肌質に合う化粧品を知って、肌トラブルを改善したい」まで読み解く必要があります。
また記事を書く前に「記事のゴールと要素の設定」を行います。
今回の場合は、「化粧水の種類と選び方、自分にあった商品が分かり、購買意欲が高まること」がゴールとなります。
そこで、これを達成するために必要なゴールを逆算していきます。
「化粧水ってそもそも意味あるの?」といった必要性を解説する要素や、種類や効果、買った後の使い方などの情報を1記事に盛り込んでいくと良いでしょう。
こういった要素を設定する際には、そのキーワードの検索結果を分析したり、ヤフー知恵袋などのQ&Aサイトを使うことで、ユーザーが求めている情報を理解することができます。
次が「ストーリー設計」。
先ほど説明した要素を網羅すると、分かりにくい記事になってしまいます。
そこで、順序、粒度、文字数といった部分を決めていきます。
また記事の設計では、タイトルと見出しが最も重要と言えます。
SEO観点だけでなく、ユーザー目線で分かりやすいか、役立つことが分かるか、といって点を押さえるようにしましょう。
さらに段落ごとの内容や文字数を指定しておかないと、ライターもこちらの狙い通りに書くことができないので、合わせて設定しておく必要があります。
最後は「ライター選定」ですね。やはりそのジャンルに詳しいか否かで、記事の濃さや説得力がまったく変わってきます。
よく「プロのライターの文章には表現力や語彙力が重要」と言われますが、それは違うのではないかと思っています。
当社では文章力を5つの観点で評価していますが、特に重視しているのが文章の流れを適切に組み立てられる「構成力」と、指示内容を適切に読み解ける「理解力」です。
この2つの能力が高い人に依頼すると、高い品質の記事を作ることができます。
ここまで7つのステップを説明してきましたが、「記事1つ作るのにここまでやるのは難しい」と思った人も多いのではないでしょうか。
実際にマーケターの方がSEO記事の編集まで関わってらっしゃるのはまれで、社内でウェブ編集部がないと、このフローを効果的に実施するのは難しいのが実情です。
社内でそういったリソースを確保できない場合は、SEO戦略の立案やキーワード選定をプロに依頼することをおすすめします。