【業界未経験でフリーランスは可能?!】業界歴15年の現役フリーランスが徹底解説。

 

広告業界歴15年、現在は現役フリーランスとして働くプロマーケター、近藤さん。
フリーランスとしてご活躍する傍ら、マケキャン講師としても複数名の卒業生を送り出してきた近藤さんに、「業界未経験でフリーランスとして独立することのメリット・デメリット」というテーマでお話いただきました。

 

近藤 大介さん


<経歴>
・SESのネットワークエンジニア(7年)
・証券会社で社内SE兼Webマーケティング担当(5年)
・ネット専業広告代理店にて広告運用担当(1年)
・同社でメディアプランナー兼広告運用担当(3年)
・同社でアカウントプランナー兼メディアプランナー兼広告運用担当兼クリエイティブディレクター(3年)
・人材系企業でWebマーケティング担当(2年)
・フリーランスとして独立マーケティングコンサルティング及びマケキャン講師(現在)

コロナ禍、フリーランスとしての道を選択した経緯とは?

ー 本日はよろしくお願い致します!
現在フリーランスとしてご活躍されている近藤さんですが、独立された経緯をお伺いできますか?

近藤さん:よろしくお願いします!

経緯としては、仕事をする上で時間的・場所的な制約から解放され自由度高く働いていきたいと思ったことが理由です。

私は東京出身なのですが、だからこそ自然いっぱいの場所で生活することに昔から憧れており、海の見える家で悠々自適と働きながら自由に暮らすことが夢の一つでもありました。

 

 

ー 海の見える家!誰もが憧れる生活ですね。
いつ頃からフリーランスになることを考えられていたのでしょうか?

近藤さん:独立したのが2021年2月、検討し始めたのがその3ヶ月前です(笑)

きっかけは、新型コロナウィルス(以下、コロナ)感染拡大で世の中の働き方が大きく変わったことです。

コロナ以前は、客先に直接訪問することが当たり前だったため、海の見える家なんかに住んでしまった日には受けられる案件が限られてしまい、独立しても稼いでいけないというのがネックでした。

しかしコロナ禍により、オンラインで営業したり打ち合わせしたりという世界が当たり前となったことで、場所の制約を受けずに働くことが可能となりました。

「今しかない!」という思いで、独立する3ヶ月前に会社員を辞める決断をしてフリーランスになった、というのが経緯です。

 

 

ー 3ヶ月前・・・!(笑)想像以上に短い期間での決断だったんですね!

近藤さん:そうですね。

コロナ禍というタイミングもありますが、加えて当時、私の周囲の友人達も会社員を辞めフリーランスや起業家として独立していました。

先に独立していく友人達から、状況を聞きながら「こういうやり方なら自分もできるかもしれない」と、少しずつ心構えをできていたのは大きかったかもしれませんね。

 

 

ー なるほど、周囲の変化も独立の後押しになったのですね。独立にあたり、不安などはなかったのでしょうか?

近藤さん:もちろんありました。

特に不安だったのは「案件を継続的に獲得できるのか」という点ですね。

今までは、基本的に広告運用者としてのキャリアが長かったため、テレアポなどで新規のお客様を一から探すという経験が苦手でした。そもそも売り込む行為自体あまり好きじゃなかったので、それをやらなければならないとしたら嫌だなぁと考えていました。

 

 

ー やはり独立するにあたって、案件獲得の課題は誰もが不安に感じられますよね。近藤さんはその不安をどう乗り越えたのですか?

近藤さん:乗り越えたというか、どうしても営業はやりたくなかったので営業しなくても良い方法をひたすら考えました(笑)

当時は、

①オウンドメディアを立ち上げて、そこから広告収入を得る方法
②フリーランス特化のエージェント経由で案件を受ける方法

の2つの方法で、継続的な収益を得ようと考えていましたが、①は収益化までかなりの時間がかかったり、②は案件単価が低かったりで、結果としてはどちらの方法にも頼らず、別の方法で収益を得ています。

 

 

ー とても興味深いです!どんな方法で収益を得ているのでしょうか?

近藤さん:100%、知人からの紹介案件ですね。

広告代理店で会社勤めをしていた時の人脈だったり、起業をした友人だったりと発注元は様々ですが、基本的には過去に一緒に仕事をしたことがある方々からの発注が大半ですね。

先方が私の仕事のクオリティやスタンスを一定理解してくれているので、それが発注に繋がっていると思います。
またお互いがお互いの仕事ぶりを知っているので、期待値がずれたりすることもなく、非常にやりやすいですね。

 

 

ー なるほど、逆に会社勤めの時の人脈がなかったら安定した案件獲得は難しかった、ということなのでしょうか?

近藤さん:厳しかったと思いますね。営業をしたくない私の場合は特に(笑)

私はやはりフリーランスとして独立する前に会社勤めをしておいて良かったと思います。

簡単にいうと、フリーランスになると会社という後ろ盾や肩書きを一気に失うんですよね。
今までであれば、待っていても会社が勝手に仕事を作ってくれたと思うのですが、これからは自分の名前とスキルだけで食べていかないといけないんです。

その際に唯一自分の武器になってくれるのは、過去の経験です。
過去積み上げてきた経験がそのまま信頼となり、発注いただけるかどうかが決まります。
会社勤めでの経験なしに独立される方は、シンプルにこの信頼残高が足りないので苦戦します。

あとは、どの程度のレベル感でアウトプットが求められるのか?を知る上でも、一度会社勤めで経験を積んだ方が良いと思います。
例えば、マーケティングには、当然狙った成果が出る時と出ない時があります。成果が出ている時は良いのですが、うまく行っていない時に、どの程度までクライアントに説明責任を果たすべきなのか?など、こればっかりは一度経験してみないと絶対分からないですよね。

コロナ禍による世の中の働き方に対する価値観変化をきっかけにフリーランスとしての独立を決意。
独立当初、案件の継続的な獲得に不安があったが、会社勤めだった時の経験や人脈が糧となり、現在は知人からの紹介案件100%で生計を立てられている。
逆に、会社勤めの経験がなければフリーランスとしての成功はなかったかもしれない、とのこと。

フリーランスとして独立することのメリット・デメリット。

ー 現在は知人からの紹介案件がメインとのことでしたが、具体的にどのようなお仕事を受けられているのでしょうか?

近藤さん:複数ありますが、メインどころとしては、

・広告代理店の責任者代行業務
・広告運用、SNS運用の代行業務
・新規提案企画の代行業務(マーケットリサーチやターゲット選定など)
・マーケティングスクールの講師、カリキュラムの作成

あたりですかね。

 

 

ー フリーランスとして独立されてみての率直なご感想としてはいかがでしょうか?

近藤さん:独立してよかった、の一言ですね!
働く場所や時間の制約から解放され自由を手に入れましたし、周囲に恵まれたこともあり仕事に困らないどころか収入も大幅に増えました。

想像以上に上手く行っていると思います。

 

 

ー 素晴らしいですね!一方で、やはりフリーランスとして独立することはメリット・デメリットがそれぞれあるのではないかと思います。
近藤さんが考えるメリット・デメリットを教えていただけますか?

近藤さん:仰る通り、会社勤めの方が良い点も多くありますので、フリーランスを目指す方はメリデメを理解した上でよく検討いただきたいです。

メリットは

・時間的/場所的制約がなくなり自由に働けること
・上手くいけば収入アップが見込めること
・自分で仕事を取捨選択できること

などでしょうか。

特に3つ目に関しては、とても重要なポイントです。

会社勤めの時は、管理職などポジションが上がっていくにつれてマネジメント業務や会議への参加などが増え、その業務だけで1日が終わってしまう、なんてことも珍しくありませんでした。
純粋にマーケティングだけを四六時中やっていたかった私にとっては、それが結構なストレスでした(笑)

一方フリーランスだと、やりたいこと・やるべきことなど本質的な仕事に対してのみ時間や労力を割くことができるので、私の性には合っていたと思いますね。

デメリットは、

・良くも悪くも自己責任ということ
・案件が尽きるリスクが常に付きまとうこと
・基本は一人で仕事をするので、孤独を感じる

・誰にもマネジメントされない分、常に自分にプレッシャーをかけ続け自走しなくてはならないこと

だと思います。

 

 

ー なるほど、デメリットで仰った「自分にプレッシャーをかけ続ける」という点に関して、近藤さんの場合はどのように維持されているのでしょうか?

近藤さん:勉強を欠かさないこと・それを外に発信するということで維持しています。

会社勤めの頃から新しいことをインプットすることは元々好きだったので、フリーランスになってからも欠かさず継続しています。
さらに、自分が得た学びや気付きを自身のTwitterで発信し、”外から見られている”という状態を自ら作ることを意識しています。

おかげさまでTwitterのフォロワーも、独立して以降の1年で6000名まで増え、そのフォロワーの数が案件獲得の際の信頼に繋がっています。

独立当初は案件獲得の不安があったものの、結果的には会社勤めの経験や信頼によりフリーランス以降も継続的に難易度の高い仕事を引き受けることができている。
一方フリーランスとしての独立は、常に自律自走が求められる等会社勤めと比べてデメリットも多くあるため、よく検討する必要がある、とのこと。

業界未経験でフリーランスとして独立することは可能?

ー コロナ禍以降、フリーランスという働き方が一層注目され、業界未経験でWebマーケターとして独立されようとマケキャンを受講される方も多くいらっしゃいます。
実際のところ、業界未経験での独立というのは可能なのでしょうか?

近藤さん:可能かもしれませんがおすすめはしない、というのが率直な回答になります。

先ほどから申し上げているように、基本的には経験してきたことの延長線でしか仕事は舞い込んできません。
私も会社勤めの経験がなければ、独立はきっと失敗に終わっていたと思います。

未経験で対応できるような案件も稀にありますが、そういった案件は大抵条件がものすごく悪いです。

何を目的として独立されるか?によりますが、「稼ぎたい」とかが目的なのであれば未経験からの独立はおすすめしません。
ただの労働力の安売りになってしまい、時給換算すると「あれ?アルバイトの方が稼げるのでは?」なんてことも珍しくないです。

安定的な収入を得たいというのがモチベーションなのであれば、サラリーマンとしていち早く出世する方がよっぽど稼げるし効率的だと思います。

 

 

ー 確かに、何を目的に独立するか次第で、受けるべき案件も変わってきますよね。

近藤さん:そうですね。

一方「自分で事業をやってみたい」というのが目的なら、フリーランスではなく起業をしてしまった方が良いと思ってます。
起業には経験も未経験もないですから(笑)

そこで自分がやりたい事業を一から立ち上げた方がよっぽど成長に繋がりますし、成功すればフリーランスなんかより全然稼げると思いますね。

 

 

ー なるほど!独立する目的をしっかり検討して、自分に合った方法を選んでいくというのが重要ですね!
最後に、今後フリーランスとしての独立を目指されている方に向けて、心構えしておいた方が良いことやアドバイスをお願いします!

近藤さん:少し現実的お話をすると、先ほど申し上げた通り、会社の後ろ盾がなくなることで社会的信用を一時的に失うことに関しては、一定の覚悟を持っておいた方が良いです。

例えばよく聞くのは、家を簡単に借りれなくなるとか住宅ローンを組めない可能性が出てくるとか。

また、お金の勘定や管理が苦手な方は今から勉強しておくと良いと思います。

フリーランスになると、請求書の発行や確定申告など全てのお金の管理を自分一人で対応しなくてはなりません。
私は元々その辺りが苦にならないタイプだったので良かったのですが、苦手な方は最初のハードルになるかもしれません。

厳しいこともたくさん言いましたが、一度やってみないことには結果は分かりませんし、仮に上手くいかなくても挑戦の過程は必ずご自身の糧になると思います。
頑張ってください!応援しています!

ーありがとうございました!引き続き、講義にてよろしくお願いいたします!

いかがでしたでしょうか?
マケキャンでは、近藤講師のような経験豊富なマーケターが在籍しており、受講生ひとりひとりに寄り添い指導をしています。

もっとマケキャンを知りたい!と思われた方は、ぜひ無料カウンセリングにお越しください!