Webマーケティングとは。Webマーケティングの業界動向や転職市場を解説

「Webマーケティング」。
最近よく耳にするかと思いますが、マーケティングとどう違うのか、結局何をする職業なのか、どんなところでどのように働くのか、なかなか見えにくいと思います。

この記事では、Webマーケティング未経験の方に向けて、Webマーケティングの業界動向や転職市場を解説します。

 

“マーケティング” と “Webマーケティング” の違い

ーマーケティングとは

企業などの組織の売上向上を目的とし、消費者や市場を分析しながら商品・サービスが「売れる仕組みを作る」概念の総称です。

新しい商品・サービスを生み出すときや、商品・サービスの売り方を設計するときなどに、消費者がどのようなものを望んでいるのか調査し、その調査結果を分析することで「売れる商品コンセプト」や「売れる宣伝方法」などを提案していきます。

 

ーデジタルマーケティングとは

マーケティングの中でも「デジタルマーケティング」は、あらゆるデジタルテクノロジーを活用したマーケティング手法のすべてを意味しており、インターネット、アプリ、デジタルサイネージ(*1)、AI、IT技術などのようにとても広い領域にわたります。

「デジマ」や「デジマケ」のように略されることが多いです。

*1 デジタルサイネージとは…屋外/店頭/交通機関/公共空間などのあらゆる場所で、ディスプレイなどを使って情報発信するメディアの総称

 

ーWebマーケティングとは

デジタルマーケティングの中の「Webマーケティング」は、Web(インターネット)を通じて行われるマーケティングの総称ですWebマーケティングの手法は主に以下が該当します。

・Webサイトの作成
・SEO(検索エンジン最適化)
 ※GoogleやYahoo!などでの自然検索の際に、上位表示させること
・Web(インターネット)広告
 ※リスティング広告、バナー広告、フィード広告、アドネットワーク、リターゲティング広告など、Web広告にもさまざまな種類があります
・アフィリエイト(成果報酬型広告)
 ※ASP(広告主とアフィリエイターの仲介)に登録されている広告を、保有するWebサイトやブログなどのメディアに掲載をし、メディアのユーザーがその広告経由で商品やサービスを申込み・購入した場合に、売上の一部が報酬としてメディアの運営者に還元される仕組み
・SNSマーケティング
・メールマーケティング
・アプリマーケティング

上記を活用し、アクセス数やユーザー動向をはじめ、画面の滞在時間などのさまざまなデータを参考に効果が最大化する方法を企画立案し改善、施策実行することで、商品・サービスの購入や利用を最大化する仕事です。

 

マーケティングトレンドの動向

ーインターネット広告市場成長の背景

マーケティングは大きく「マスマーケティング」「ダイレクトマーケティング」に分類されます。

市場に並ぶ商品や選択肢が少なく、また選択肢を絞るための情報も限定的であった時代は、大量生産と大量消費を前提としたマスマーケティングが主流でした。
マスマーケティングは認知が目的であり、マス広告(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)を利用し不特定多数に対して一方向性のアプローチをおこないます。
マスマーケティングは、特定市場で高いシェアを持つ商品・サービスが行う手法として有効ですが、市場に商品・サービスが増えて消費者が「選ぶ側」に立ち始めた頃からは、消費者の志向を踏まえたマーケティングへのトレンドシフトが始まりました。

そんな中IT技術が向上し続け、2019年には国内のインターネット広告費がテレビメディア広告費を超え、さらなる成長が見込める期待の業界です。
ITニーズの拡大にともなって市場規模は引き続き拡大しており、2015年を起点とすると、2022年には230%の市場成長が予測されています。

インターネット広告国内市場規模推移と予測

出典:矢野経済研究所調べ(www.yano.co.jp)

 

Webマーケターの転職市場

ー市場成長とIT化促進によるWebマーケター需要の増加

インターネット広告市場の成長に併せて、新型コロナウイルスの影響によりIT化が一気に促進したことも相まって、マーケティング人材の需要が増加しており、引く手数多な状況です。

それにより、平均以上の給与が期待されることも事実です。
マーケティング職は、すべての年代において、全体平均年収より上回っており、将来的に年収UPも期待できる職種であると言えます。

年齢別全体平均/マーケティング職平均給与推移比較

出典:Doda「平均年収ランキング」(doda.jp/guide/heikin/age/)

 

ーマーケティング職のメリット・デメリットや適性

メリット
・平均年収が高い
副業・独立に繋げやすい
・汎用性の高いスキルが身につくため、他業種にも役立つ

デメリット
・未経験からの就職ハードルが高めである
・業界として、比較的労働時間が長めである
・意外と泥臭い仕事が多い

適性
Webマーケティングは常に環境が変化し続けます。マーケティングトレンドの変化はもちろん、ちょっとした世の中の動きでユーザー動向が変わったり、媒体やプラットフォームのルールがコロコロ変わったりと日常的な変化が大きいため、日々最新の情報に触れ続ける必要があります。
常に情報をインプットし続けることや新たな物事に触れ続けることに抵抗がない方には合っているでしょう。逆に、一昔前のノウハウにすがりついているようなマインドでは、業界で生き残っていくことは難しくなるといえます。

また、マーケティングは数字を扱う仕事であるためロジカルシンキングが必要不可欠です。論理的思考や数字を元に仕事を進めることに抵抗がある方は苦労されるかと思います。

 

Webマーケティング職のキャリアパス

ー転職
前述の通り、Web マーケティングの知見はどの業界でも求められているにも関わらず、需要に対して人材が不足している状態です。
そのため、年収UPを目的として広告代理店から競合である広告代理店へ転職するケースが多いです。
※マケキャン学習サポーターM講師の例はこちら

また、広告代理店のコンサルタントとして施策策定やアドバイスをするだけでなく、もっと自分の手で事業を動かしていきたいと考えて事業会社へ転職し、キャリアを継続するパターンもあります。
※マケキャン学習サポーター神谷講師の例はこちら

ー社内昇格
メンバーとして実績を出せた場合には、社内で昇格してマネジメントレイヤーとなるケースが多いです。一般的にはリーダー(またはチーフや係長)、マネージャー(または課長)、CMO*2 の順で昇格する道があります。
※マケキャン学習サポーターY講師の例はこちら
*2 CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)。社内のマーケティング総責任者であり、取締役または役員であるケースが多い

ー独立(フリーランス、起業)
未経験からWebマーケターを目指す理由の一つに「フリーランスになりたい」という目標を掲げられる方も多いでしょう。
Webマーケティング経験者として独立するには最低でも2年間は企業に籍を置き、Webマーケティングの知識や経験、人脈を形成することが必要です。
※マケキャン学習サポーター近藤講師の例はこちら

Webマーケティング職の種類

単に「マーケター」と言っても、職種は多岐にわたります。

ー事業会社

・Web・コンテンツディレクター(Web・コンテンツデザイナー)
Web広告やLP、Webサイトやコンテンツのデザインなど、オンライン制作物のディレクションを行います。スケジュールの進行管理、コンテンツの品質管理、プロジェクトメンバーの選定などが主な業務内容です。

・広告運用担当
運用型広告の配信から進捗管理、クリエイティブ調整などを行う職種。運用型広告は、運用次第で広告パフォーマンスが大きく変化する非常に重要な役割です。
この役割を広告代理店へ委託するケースも多いです。逆に、自社内で行っている企業を「インハウス」と呼びます。

・SEO担当(*3)
自社の商品やサービスに関連するあらゆるワードの検索結果において、自社サイトをより多く露出をするために行う対策を担当する職種。
*3 Search Engine Optimizationの略。”SEO対策”は”検索エンジン最適化”とも呼ばれる。

・データアナリスト
自社が営業活動を通じて得た膨大なデータを集計・分析し、ユーザー動向や規則性、将来的なニーズなどを見つけ出します。そこで得られた情報から仮説を立て、問題解決の手段を提案したり、提供しているサービス改善などに役立てる職種。

・データサイエンティスト
アルゴリズムや統計など情報科学理論を活用してデータを分析し、有益な知見や情報を見いだすことをミッションとした職種です。データアナリストはデータ分析アルゴリズムを”運用する“のに対して、データサイエンティストはデータ分析アルゴリズムを”開発する”という違いがあります。

 

ー広告代理店

・営業
主にアカウントプランナーやアカウントエグゼクティブ、コンサルなどと呼ばれ、新規案件の獲得と既存案件運用を両方を担当する場合が多く、案件の獲得からその後のプロジェクトマネジメントまでを担うケースが多いです。
新規案件獲得の際には広告主が開催するコンペに参加し、コンペに対応するチームを統括しながら企画・資料作成を行い、受注後はクライアントとの窓口業務、プロジェクトチームの進捗確認がメインになります。

・広告運用担当
運用型広告の配信から進捗管理、クリエイティブ調整やレポーティングを行う職種。運用型広告は、運用次第で広告パフォーマンスが大きく変化する非常に重要な役割です。
クライアントとのやりとりは基本的にアカウントプランナーなどの営業職が担いますが、時には運用担当がクライアントへ直接提案するケースもあります。

・Web・コンテンツディレクター(Web・コンテンツデザイナー)
Web広告やLP、Webサイトやコンテンツのデザインなど、オンライン制作物のディレクションを行います。スケジュールの進行管理、コンテンツの品質管理、プロジェクトメンバーの選定、クライアントと現場スタッフの橋渡しなどが主な業務内容です。

・メディアプランナー
ネット広告の出稿プランにおけるプランニングを担当する職種。必要に応じて、媒体社(*4)へバナー広告掲載費用の交渉や買い付けを行う場合もあります。
*4 媒体社とは、広告出稿先企業の総称。SEMだとGoogleやYahoo、SNSだとTwitterやFacebook、Tiktokなどが媒体社にあたります。

・ストラテジックプランナー
広告がつくられる前の段階で、クライアントのブランド戦略やコミュニケーション戦略などを、データをもとに立案する職種。マーケティングに関する様々な知識や経験が必要とされるため、比較的中堅以上の社員がアサインされるケースが多いです。

・CRMコンサルタント(*)
CRM戦略の立案から各顧客接点に応じたコミュニケーション戦略の策定、チャネル最適化、関連システムや業務プロセスの再構築など、CRMに関する事柄を包括的に対応する職種。
* CRM(Customer Relationship Management:カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)とは、顧客情報(クレームや意見等も含めた様々な情報)を活用し、顧客へ最適なサービス提供をすることで顧客維持率を向上させ、長期的な収益を高めようとする経営管理手法

・データアナリスト
データを分析し、得られた情報に基づいてクライアントのコンサルティングを行う職種。
課題を解決するためにどのようなデータが必要か考えるところから始まり、仮説に基づいてデータを分析し、抱えている問題の解決施策を提示。そして、施策実施後の検証作業まで行います。

 

いかがでしたでしょうか。
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